イノベーション・ファイル アイメトリクス編 Vol.2:アイメトリクス
だからこそ実現できた。それが最高の勲章。

常識を打破しなければ何も生まれない

よりディテールに関わる質問を幾つかさせてください。 通常はメガネフレームで使わない、メタルダイキャスト 製法(鋳型鋳造)を採用した理由は何ですか?

「アイメトリクスはお客様一人ひとりの快適なフィッティングを実現するために、高精度のフレームを作っています。実際、スパルタンでは日本工業規格(眼鏡枠)で要求される寸法精度の10倍の精度である公差5/100mmを目指しました。それはもはや精密機器メーカーのレベル。切削やプレスでは対応できません。どうしてもダイキャスト製法が欠かせなかったのです」

ディティールまでこだわるのもアイメトリクスならでは。

ブリッジを構成するフラット面を26面体に、そしてヒンジ(蝶番)を30面体にして
います。どうしてそこまでこだわったのですか?

「フラットなレンズとの一体化を目指すには必然であったからです。試行錯誤を続けた結果、ブリッジ26面体、ヒンジ30面体に辿りついたのです。平面のみで実現するには非常に困難でした。そこまでやる意味があるのかという意見もあったくらいです。ただ、デザイン面においても究極の技術を追求することで、誰もが想像していなかったような機能美が生み出されたのです。一度店頭で面体数を数えてみるのも面白いかもしれません」

フレームがレンズ側にかける負荷を低減するために、何か工夫を施していると 聞きました。

「負荷を逃がすために、ブリッジに小さな隙間、削り込みを入れています。レンズが組み付いている状態ではおそらく分からないと思いますが、それを入れたことで負荷が大きく変わってきます。アイメトリクスではこうした僅かな差、工夫が商品精度に大きな違いをもたらしています。もちろんテンプルのデザインも弾力比を考慮して、設計しています。」

フレームカラーに、自動車のオーダー塗装で使用される特殊メタリックカラー を日本で初めて採用したのも驚きました。

「既存の色を使っても面白みがありません。より立体感や質感を出すために特殊メタリックカラーを採用したんです。光の当たる角度によって色の変化が生じ、フレームの直線美を引き立ててくれます。どうしたら最も効果を出せるかと、メタリック配合率を変えながら試作を繰り返し決めました」

不可能とされていたテーマに挑戦していきたい

スパルタンは好評のようですが、今後アイメトリクスは何を 目指していきますか?

「開発コンセプトは変わりません。フィッティングと機能性を追求し、既成概念を打破した新しい商品・市場を創造・提案していきたいと思っています」

久保田さんご自身がトライされたいテーマも同様ですか?

「お客様の常識を覆す、アイメトリクスならではの魅力を持った商品を生み出していくのが私の夢です。業界でまだ誰も成し遂げていない3D計測系フルリムフレーム(枠付き)の開発も挑戦しがいのあるテーマだといえます」

〈次ページへ続く〉

「5/100mmという精度の高い部品を作る技術力があるからこそ、お客様にオーダーメードの眼鏡をご提供できます」と語る久保田氏。
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